TOEICの公式問題集を約4年ぶりに買いました。前回買ったのは、2019年発売のピンクの表紙の第4集。今回のは2023年10月19日(TOEICの日!)に発売された第10集です。
まずはテスト1回分(TEST1)を解いてみて、見直しをしたところで感想を書いてみます。ネタバレを含みますので、まっさらな状態で公式問題集10に取り組みたい人は、解き終えてからお読みいただければと思います!
久々にTOEIC公式問題集を買った理由
今回、公式問題集を買うことにしたのは、ここ4年、ゆるゆると続けていた英語学習にひとつ区切りをつけるため、久々にTOEIC L&Rを受験しようと思い立ったからです。
最後に受験した2020年1月のスコアが860で、2016年5月(新形式の初回)の自己ベストの925より下がったところで止まっているのも屈辱的でしたし。
気になっていたのは、私が遠ざかっていたこの4年の間、TOEICの世界観はどう変わったのか?ということでした。
私が記憶しているTOEICの世界は、SDGsがすでに達成されたがごとく平穏で、戦争や病や貧困とは無縁、問題と言えば列車に乗り遅れるとか、オフィスの備品が切れたとか、ケータリングが届かないとか、そんな感じです。
しかし現実世界では、この4年の間に新型コロナウィルスのパンデミックが発生。米議事堂襲撃事件、ミャンマーのクーデター、安倍元首相暗殺、ウクライナ戦争、イスラエルの対ガザ戦争などなど物騒なことが次々に起こっています。
また、地球温暖化に伴うとされる記録的な自然災害の報道も増えた印象があります。さて、これらの現実はTOEICの世界に反映しているのか。TOEICに登場する人々の会話やアナウンス、広告、記事やメールの内容はどうなっているのでしょうか。
公式問題集10の世界は現実の影響を受けているか
結論からいいますと、TEST1に限っては疫病、戦争の影はありませんでした。カンパニーピクニックも相変わらず開催されているようです。テレワークという勤務形態が登場しますが、これはコロナ前からありましたね。
ただ、ITや環境方面の話題は進化しているようです。
例えば、会社のデータがクラウドに保存されていたり、登場人物がポッドキャストの配信にたずさわっていたりという設定は、以前にはなかったところだと思います。ちょっとどこだったか忘れましたが、ウェビナーなんて話も出てますね。
環境ジャンルではconpostable(堆肥化可能な)なんて語彙が登場します。hail(あられ、ひょう)、cold spell(寒波の期間)などの気象用語も目新しいところでした。
TOEICは難化しているのか?
受験にあたって、またTOEIC業界の英語講師の皆さんから情報収集をするようになったのですが、どうも「TOEICは難化している」「最近のTOEIC難しすぎ」という感想が目立つような。
しかし、公式問題集10のTEST1を解いてみた限りでは、特に難化しているとは感じませんでした。この4年ばかり、TOEIC対策は全くやっていなかったにもかかわらずです。
強いていえば、Part7に、状況がイメージできなければ戸惑うような問題が増えた気がするぐらいでしょうか。
例えばライヴハウスのブッキングの問題がありますが、これが私が知っていたTOEICの問題より、なんというか具体的なんですよ。その分野の知識がある程度なければ、状況が把握できないのではないかという。
小規模な会場のコンサートでは、入口でお金を集めるシステムになっていることがあります。また、バンド側のスタッフの人や、場合によってはアーティストが自らグッズを売っていることがあります。そういったシチュエーションは、有名アーティストの大規模なコンサートの経験しかない、あるいは音楽に関心がない人にはイメージしにくいところではないでしょうか。
もう一つの例は、屋根の修理問題。これは「アスファルトシングル葺き」という建築の用語を知らないと、混乱するかもしれません。一瞬、道路の話かな?と錯覚させるような、ちょっと意地のわるい問題の作り方だと思いました。
これらの話題は、いずれも私にはなじみのあるジャンルの話だったので、解いているときは何も感じなかったのですが、復習していてふと思ったんですよ。自分の知らない分野がこのレベルで出題されたら?と。例えば自分の場合は、スポーツの話題が出てきたら困ると思います。
私が思うTOEIC難化対策3つ
さて、だとして難化したTOEICにどう対応すればよいか。ここまで述べたような傾向があるとしたら、公式問題集を何冊・何度回したとしてもスコアは上がらないような気がします。自分なりに対策を考えてみました。3つあります。
個人的によさそうだと思っているのは、ビジネス、環境、健康、カルチャーなど、トピックの幅が広いVOA Learning Englishの活用です。比較的平易なので、苦手なジャンルでも読解に取り組みやすいのではないかと。
ちなみに半導体の工場など、狙われそうなトピックだと思うのですが、いかがなもんでしょうか。すでに出題されているかな。
環境やエコ、気象の話題については、Z会の「英単語Issue 環境編800」が役に立つかもしれません。
「英単語Issue 環境編800」は、テーマが「環境」といってもSDGsがベースになっていて、政治とか紛争みたいな殺伐とした話はほとんど出てきませんので、TOEICの世界観とも相性がいいのではないかと思います。
あとは、単語集を使って機械的に語彙を増やすことでしょうか。この4年間、ゆるゆると英語学習を続けてきたと冒頭に書きましたが、学習内容の一つに、英検1級・準1級の「パス単」を何周もまわすというものがありました。もしかして、最新のTOEIC公式問題集にさほど難化を感じなかったのは、パス単の効果かもしれません。
というところで以上、TOEICの公式問題集10のTEST1を解いてみた感想と、自分なりに考えたTOEICの難化対策でした。TEST2はこれから解きます。気がついたことがあれば追記したいと思います!