待ちに待った、ドイツのヘヴィメタルバンドHELLOWEENのざっと3年ぶりのニューアルバム『Straight Out of Hell』が、昨日1月16日にリリースされました!さっそく入手のうえ通勤のお供に lml
構成の複雑な曲が多いので、まだいまいち音像がつかめていないのですが、ひたすらダークでシリアスだった前作『7Sinners(セブンシナーズ)』と比べると、明るい印象がありますね。
バンドの日本公式HPにあった「あのメロディアスでハッピーでポジティヴなサウンドが遂に復活!」というのはちょっと違う気がしますが、久々にカボチャのキャラクターが前面に出たコミカルなアートワークに、ほっとしたファンは多いんじゃないかと思います。
ところで、この『Straight Out of Hell』のアートワークのオレンジと緑の色使いを見ると、ついつい「カラーユニバーサルデザイン」のことを思い出してしまいましたので、今日はそのお話を。
カラーユニバーサルデザインとは
カラーユニバーサルデザインとは、簡単に言うと「誰にでも見分けやすい色使いのデザイン」のことです。NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(以下「CUD」、記事作成当時の公式サイトのURLはhttp://www.cudo.jp/colorud/CUD)によると、「色覚タイプの違いを問わず、より多くの人に利用しやすい製品や施設・建築物、環境、サービス、情報を提供するという考え方」と定義されています。
「色覚タイプ」とは、目の網膜にある「錐体(すいたい)」の数や性質の差による色の見えの分類のことです。
錐体とは、色を感知する細胞のこと。多くの人は赤、緑、青の三種の錐体を持ち、虹の色でいうと赤から紫までをまんべんなく見分けることができますが、いずれかの錐体がない、または錐体の働きが弱い人は色の見えが異なります。
例えば、CUDの分類では「D型」とされる緑錐体がない人の色の見えはこんな感じ。富士通の色覚シミュレーションツール「カラードクター」(記事作成当時、富士通のUDのページで公開)で『Straight Out Of Hell』のアートワークを見てみました。左が一般色覚、右がD型です。
実際にこんな色に見えるわけではなく、あくまでも見分けにくい色の組み合わせをあぶりだすためのツールなのですが、一般色覚の人にとってはコントラストが効いて見える色の組み合わせが、D型の人には、ほとんど同じに見えることがお分かりいただけるかと思います。
こうした色の組み合わせを避けようというのが、カラーユニバーサルデザインの考え方です。アートワークなど芸術表現の場合はともかく、地図、案内表示、グラフ、電子機器のパイロットランプなどにオレンジと緑の組み合わせが使われたら、D型の人は困ってしまいますよね。
緑とオレンジは、赤錐体がないか、その働きが弱い「P型」の人にとっても見分けにくい組み合わせです。日本人男性の約5%がD型とP型に該当されると考えられていますので、色で区別をつける際には、緑とオレンジの組み合わせは使わない方が無難です。
なお、異なる色覚の人にとって見分けにくい色の組み合わせは、緑とオレンジだけではありません。他に見分けにくいものの代表として知られるのが、パステルカラーのピンクと青など。ひとつの目安として、モノクロにした際に区別がつかない色の組み合わせは、要注意と考えていいと思います!