Eco検定頻出の「地球サミット」について。1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催され、「環境と開発に関するリオ宣言(通称「リオ宣言」)」や、「アジェンダ21」が採択された重要な国際会議です。
この地球サミットに関連したキーワード、「リオ宣言」「アジェンダ21」は、比較的覚えやすい部類に入ると思います。しかし、正式名称や略称(記号)、代表的な原則は?と問われると、前後の他の会議や委員会と混同しがち。
そこで、地球サミットに関する紛らわしいポイントをクイズにしてみました。Eco検定の難関のひとつである、国際会議名や宣言の整理の一助としてもお役立ていただければと思います。
Q1 地球サミットの正式名称(日本語)は?
①持続可能な開発に関する世界首脳会議
②国連持続可能な開発会議
③国連環境開発会議
A1 ③国連環境開発会議
1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットの正式名称は「国連環境開発会議」。
①持続可能な開発に関する世界首脳会議、②国連持続可能な開発会議は、1992年からそれぞれ10年後、20年後に、地球サミットのフォローアップとして開かれました。
①は2002年にヨハネスブルグで開催された「リオ+10」、②は2012年に再びリオで開催された「リオ+20」の正式名称です。
Q2 国連環境開発会議の略称は?
①UNCED
②WCED
③WSSD
A2 ①UNCED
地球サミット(国連環境開発会議)の略称は「UNCED」。United Nations Conference on Environment and Developmentの略。
eco検定に出題される範囲では、「UN」で始まる略称は「国連なんとか」で間違いないと思われます。他方「W」は「世界」の略であることが多い模様。
②WCEDはWorld Commission on Environment and Developmentの略で、1984年に設立された「環境と開発に関する世界委員会」のこと。初めて持続可能な開発という考え方を提唱したという点で画期的でした。
③WSSDは、地球サミットの10年後のリオ+10(持続可能な開発に関する世界首脳会議、World Summit on Sustainable Development)の略称。
リオ+20(国連持続可能な開発会議)の略称は、ないことはないのでしょうが、eco検定のテキストには載っていないので、深く追求しないことにします。
Q3 地球サミット(国連環境開発会議)で採択された「リオ宣言」に盛り込まれた原則は?
①我ら共有の未来
②我々の望む未来
③共通だが差異ある責任
A3 ③共通だが差異ある責任
「共通だが差異ある責任」は、地球サミットで採択されたリオ原則の第7原則。eco検定テキストP.23ではこう定義されています。
先進国も途上国も地球環境保全という目標に責任を負うという点では共通だが、過去に環境に負荷をかけて発展を遂げた先進国と、これから発展しようとする途上国の間には責任の大きさの差異を認めるという考え方。
他方、①「我ら共有の未来」は、前述のWCED(環境と開発に関する世界委員会)が1987年に発表した報告書、②「我々の望む未来」は、リオ+20で採択された宣言文です。かなり紛らわしいですが、1980年代には「共有」していることを確認するだけだったのが、2010年代には「望む」という形で積極的になったと覚えるといいかもしれません。
なお、リオ+10に関しては、こういったキャッチーな名前の報告書や宣言文はないようで、少なくともeco検定テキストには載っていませんので、ここではやはり追及しないこととします。
関連キーワードまとめ
さて、ここで1992年の地球サミットについて、関連キーワードをまとめてみましょう。
正式名称:国連環境開発会議
略称:UNCED(United Nations Conference on Environment and Developmentの略)
採択された宣言、行動計画:リオ宣言、アジェンダ21
代表的な原則:共通だが差異ある責任
ちなみに、地球サミットに関しては、その他、国連気候変動枠組条約(最近はアメリカのパリ協定脱退でもっぱら話題)の署名が開始されたり、また、生物多様性条約の署名も始まるというイベントがありました。
が、これらは地球温暖化対策、生物多様性という文脈で覚えた方が効率がよさそうなので、詳しくはまた別の機会に。