伊丹市立美術館で開催されていた「LOVE POP! キース・ヘリング展 アートはみんなのもの」に行ってきました。
伊丹は酒蔵の町ということで、JR伊丹駅周辺には、白壁・瓦屋根の建築物が目立ちますが、市立美術館もそのひとつ。
そんな美術館の外壁に、カラフルでポップなグラフィカルアートが出現。でも、不思議に違和感ないですね。
この壁画は、「キースが願った”平和”を願って」プロジェクトとして作成されたもので、アーティストの田内万里夫さんによって描かれたドローイングに、自由参加の皆さんによって色が描き加えられたものだそうです。展覧会の公式ブログを確認したところ、1月下旬の土日に制作が行われていたとか。参加したかったなあ。
さてさて、キース・へリングの名前や作風は、20数年前、徳島の片田舎の高校生だった私でも知っていました。街の看板やシャッターに、なんちゃってキースヘリング風の絵を見ることもたびたびあったような。まさに「アートはみんなのもの」を体現した一大ブームだったんではないかと当時を振り返って思う次第です。
ただ、ひねくれ者だった当時の私は、カラフルとかポップとかアートに対してひじょうに敵愾心を持ってましたので、キース・へリング「どこがいいのかわからない」「誰にも描けそう」なんてイキがっていたんですが……。
今回の展覧会も、じつはそのときのイメージを少々ひきずって見に行きました。
そしたら、いや、驚きましたね。ポスター作品や彫刻作品は、イメージどおりポップだったのですが、大半の作品は、何と言うか、めちゃめちゃ怖かったんですよ(語彙がない)。切れたり穴が開いたりくっついたりしながら絡み合う人物群や、そこに描き込まれた点描や不気味な斑点。見ているうちに、逃げ出したいと思った絵も何枚かありました。
ということで、今のところ「LOVE POP! キース・ヘリング展 アートはみんなのもの」という可愛らしいタイトルと、自分が見たものが全く結びついていない状態であります。絵がこんなに怖いと思ったのって、初めてかもしれません。