『スーパーマーケットでかわいい買い物』(西世古桂子・著)を読みました。
スーパーマーケットの「かわいい」もの関連の本といえば、これまで主に西欧諸国のスーパーの商品を紹介するものしか見たことがなかったのですが、これは日本のスーパーで見つけたかわいいものを紹介する本です。
ここで言う「かわいい」は、「昔ながらの素朴な」「どこか垢抜けない」「昭和レトロな」という意味であるよう。
何十年も前にその商品が発売された際に、おそらく社内の誰かがささっとデザインしたのであろうパッケージが、そのまま現在まで受け継がれているような品々が取り上げられています。
著者の西世古さんは、特に地方のスーパーの魅力に取りつかれ、本書を書くまでに32都道府県、400軒以上のスーパーをめぐって1000点以上のアイテムを買い集めたとのことで、私にとっては未知の商品も多数。
私が知っているところでは、日新製糖のビニール小袋入りペットシュガーや、実家で障子を貼り替えるときにお馴染みだった永久糊、金属磨きの「ピカール」などが載っていました。
いずれも2~3色刷りの明快なデザインです。現在のカラフルだったり、写真の階調が美しく再現されていたりするパッケージを見慣れた目には、とても新鮮に映ります。本書を読んで、こりゃ楽しそうだ、ということで私もこの週末、スーパーで「かわいい」ものを探してみることにしました。
しかし、収穫は……残念ながらほとんどなかったのですよ、これが。
西世古さんが、かわいいものの宝庫としていた乾物や粉物のコーナーを見ても、大手メーカーの現代風のデザインや、プライベートブランドの無味乾燥なだけのデザインの商品が棚を埋め尽くしてしまっていました。
唯一の収穫が、重曹。東大阪市の株式会社井上清助商店が製造している「タンサン」でした。これは、西世古さんの本にも載っていなかったもので、ちょっと自慢できるかも。ちなみに65円なり。
食品用タンサン<重曹>
それにしても、行ったのがコープだったからなのか、それとも、西世古さんがこの本を出した2008年にすでに指摘していたように、どこのスーパーでもプライベートブランド化が進行しているのか…。
スーパーで「かわいい」ものを見つけたら、即買いというのは鉄則かもしれません。