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2020年「今年の漢字®」第1位の「密」が来年はランクインすらしないと大胆予想

2020年「今年の漢字」第1位の密 時事
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年末恒例となった日本漢字能力検定協会「今年の漢字®」。26回目となる今年2020年、1位に選ばれたのは「密」でした。「3密」「密です」「密にならないように」などと、新型コロナウィルス感染症対策という文脈でさんざん目にした漢字ですので、1位に輝くのも納得という方は多いのではないでしょうか。

漢検の公式サイトの2020年「今年の漢字」のページによると、「密」は208,025票の応募の中から28,401票(13.65%)を集めて1位になったとのこと。また、コロナ関連だけでなく、政治判断や芸能スキャンダルでもよく使われた漢字だと解説されています。

世界中が新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けた一年。“3「密」”という言葉が提唱され、生活・行動様式が「密」にならないよう国民が意識し続けた。(中略)また、政治判断が「密」室で行われたことや芸能界での「密」会報道などでも使われた年。

出典:2020年「今年の漢字」 | 事業・活動情報 | 公益財団法人 日本漢字能力検定協会

個人的には、「国民が意識し続けた」というところに異論があります。「3密」も「密です」も連呼されすぎて、インフレ化してしまったというか、注意喚起の役割を果たさなくなっているような気がしないでもありません。

大都市とその周辺では感染者数が増え続け、海外ではより感染力の高いコロナウィルスの変異株が出現したというこの年の瀬(これを書いている12月26日、日本にも入ってきたとの報道あり)、ここであらためてコロナ対策という意味での「密」をおさらいしてみたいと思います。

「3密」は、「密閉」「密集」「密接」の頭文字をとったものです。換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発生をする密接場面。この三つの条件が揃うと、コロナウィルス感染症の集団発生のリスクが高いことから、感染予防策として提唱されるようになりました。

この言葉は、このコロナ禍で避けるべき状況を覚えやすくしてくれたということで、コロナの感染拡大防止に一役買ったと思います。問題は、一部に「“3密”でなければ感染のリスクがない」と曲解した人がいたことでしょうか。

これは大きな誤解で、コロナウィルスへの感染自体は、三つの「密」が揃わなくでも起こる可能性があります。会社の上司とサシ飲みでも、野外のバーベキュー大会でも、神社でのスピリチュアルな集会でも、そこにウィルスが持ち込まれれば。その点あらためて肝に銘じておきたいところです。


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さて、「今年の漢字」の話に戻りましょう。繰り返しになりますが、1位に選ばれたのは「密」。2位から10位までのラインナップは、順番に「禍」「病」「新」「変」「家」「滅」「菌」「鬼」「疫」となっています。

このうち、「密」「禍」「家」「滅」「鬼」「疫」は、過去に「今年の漢字」トップ20に入ったことのない、初登場の漢字です。後になって振り返ったときに、「ああ、2020年は新型コロナでステイホームで、アニメは『鬼滅』が流行ったっけ」と分かる顔ぶれですね。

これらの漢字は、来年、2021年の「今年の漢字」にも登場するでしょうか。

「鬼」「滅」は、『鬼滅の刃』の現在の社会現象のような盛り上がりが続かない限り、今年限りかなという気がします。似たような例としては、『アナと雪の女王』『妖怪ウォッチ』が大流行した2014年には「雪」「妖」が10位内にランクインしたのですが、その後一度も登場していないことがあります。

一方、新型コロナ由来の漢字はどうかというと、これも来年のランクインはないのではないかと予想します。

ワクチンが功を奏してコロナウィルスが脅威ではなくなるからか、脅威は続くものの国民が慣れてしまって特に話題にもならなくなるからか、それとも口にするのも憚られるような恐ろしい事態になるからか、その理由は分かりませんが。

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