2021年6月12日(土)に受験した2021(令和3)年度第1回日本語検定1級に合格しました。際どいところではありましたが、とりあえず一発合格です!この記事では、郵送されてきた1級の「認定証」「認定証明書」「個人カルテ」を紹介するとともに、合格基準、配点のヒントなどを探ってみたいと思います。
日本語検定の認定証と認定証明書の違い
これが日本語検定1級の「認定証」。表彰状のような様式のA4サイズの光沢のある厚紙。何事かを成し遂げた感がありますね。背景に描かれているのは朱雀か鳳凰。ちなみに日本語検定では、1級から7級まで各級に動物が設定されていて、それが認定証に表示されるようです。2級は虎でした。
そして、1級の「認定証明書」です。こちらは普通のA4用紙。「1級の認定を受けたことを証明します」とあります。この検定においては、「認定を受けた」=「合格」ですので、以下、「合格」という言葉を使って話を進めます。
1級の合格基準は?
日本語検定の合格基準は、公式サイトの「受験概要・日程」のページで公開されている通りです。
基準は受験級によって異なりますが、1級の場合は、総合得点率80%程度以上かつ領域別得点
率が50%程度以上です。
「領域別得点率」は、出題分野別の得点率。日本語検定には「敬語」「文法」「語彙」「言葉の意味」「表記」「漢字」の6つの領域があり、それぞれにおいて得点率が算出されます(7級を除く)。
この各領域の得点率において50%以上という条件を満たさないと、総合得点率が基準を超えていても合格とはみなされません。
総合得点率がわずかに合格基準を下回っている場合は、準級認定(1級受験の場合は、総合得点率が70%以上で「準1級」)という救済手段がありますが、ここでもやはり、領域別得点率50%という条件が課されます。けっこうシビアです。
得点率がわかる「個人カルテ」
さて、個々の受験者の得点率や、小問別の正誤、受験級のレベルに照らしての所見を教えてくれるのが「個人カルテ」です。
個人カルテに記載されていた私の総合・領域別の得点率と正答数は、以下の通りでした。
<総合>
84.7%
<領域>
敬語 87.5% (14/16問)
文法 96.0% (10/11問)
語彙 82.7% (11/11問)
言葉の意味 80.7% (12/16問)
表記 82.6% (16/18問)
漢字 75.0% (14/19問)
カルテ記載の得点率は、単純に正答数を問題数で割って出した比率とは異なります。ご参考までに、私の正答数と、個人カルテの得点率を比較してみました。
領域によってはけっこう差異がありますね。カルテには説明がありませんが、おそらく小問ごとに配点が異なるのでしょう。また、カルテに「総合問題」(問17と問18)の得点率がないところからすると、総合問題の成績が各領域に何らかの形で反映されていると考えられます。
すなわち、試験直後の解答速報が出た時点での正確な自己採点は難しいのですが、正答数/問題数の合計の比率(85%)とカルテの総合得点率(84.7%)がほぼ同じぐらいであるところを見ると、単純計算も合否判定の目安にはなりそうです。
解答欄が複数ある問題の正誤判定は?
そうそう、カルテからは、小問の中でさらに解答欄が分かれているタイプの問題(ひとつの小問のなかに「ア」「イ」二つの解答欄があるような)のカウント方法が分かりましたので、それを書いておきたいと思います。パターンは二つあります。
どちらも正解しないと正解とみなされないパターン
すでに出版されている過去問集の収録問題でいうと、2020年度第2回1級の問16がこのパターンです。
例えば、【□首凝議】のように一字が抜かれた四字熟語が示され、□の中に入る漢字を書くとともに、選択肢から正しい意味を選べという問題ですが(参考:2020年度第2回日本語検定1級過去問 『日本語検定公式過去問題集 1級 令和3年度版』収録)、これは両方正解しないと×。部分点はありません。
語句の意味は分かるけれども、漢字をよく覚えていないという場合は0点になりますので、ご注意ください。ちなみに今回、この手の問題は問11と16で計8問あったのですが、私はそのうち5問を落としています。
小問の中の二つの解答が独立して扱われる場合
一つの漢字が掲げられ、その漢字が使われている二つの語句の読みを書けというタイプの問題があります。
例えば、2020年度第2回の問15二。【揮】という漢字が掲げられ、「ア」「イ」の二つの例文に含まれる「揮って」「揮毫」の読み方を書け、と言われるのですが、「ア」「イ」は独立した問題として扱われます。この小問で、「ふるって」は読めたけれど「きごう」が分からなかった場合は問15二-ア○ 二-イ×という採点になります。
ということで、このページでは、日本語検定1級の「認定証明書」「認定証」「個人カルテ」を紹介するとともに、合格基準、配点のヒントなどを解説してみました。今後、1級受験を検討されている皆さんのお役に立てましたら幸いです。
次の日本語検定(2021年度第2回)は11月に実施されます。私は、次は90%以上の得点率を目指して1級を再受験する予定なのですが、その頃にはコロナ感染が落ち着いていてほしいものです。