『色彩―カラーコーディネーター入門』という本を、昨日、図書館でたまたま手に取りました。
薄い本だったので、色彩のことを浅く広く書いたお気軽な本かな?と最初思ったのですが、ページをめくってみて驚きました。
色彩検定の公式テキストに載っているような知識が満載。
まず、色の表わし方については、3級で学ぶPCCS、JIS慣用色名、2級で学ぶJIS系統色名、マンセル表色系、そして1級で学ぶオストワルト表色系、NCS、XYZ表色系、L*a*b*表色系やISCC-NBC色名やバーリンとケイの基本色彩語まで網羅されています。
色の調和についても、PCCSを使った色彩検定2級レベル配色技法が紹介されていて、何なんだこの本は?と思ったところで出版社名をよく見ると、「日本色研事業」。
日本色研事業株式会社は、PCCSの著作権を持っている会社で、検定に使われる「新配色カード」を作ってるところです。いわばPCCSの本家。そりゃ充実してるはずだ。失礼しました。
調べてみると、この『色彩―カラーコーディネーター入門』、私が知らなかっただけで、専門学校や大学の教科書として使われたり、先生が個人的に生徒にすすめたり、という色彩教育の場面で評価の高い本である模様。
そういえば、色彩検定2級検定会場でコンパクトな参考書+問題集だけを眺めている若い受験生を見て、「それだけで大丈夫なの?」といらぬ心配をしたものですが、学校でこんなのをがっつり勉強してたら、検定公式テキストいらないかもな、とも思えてきました。
そして、カラーコーディネーター3級から色彩の勉強に入ったのは、大きな回り道だったのかも…とも。
センスのよい配色ができるようになりたいけど、検定受験はハードルが高い、と思っている人には、まずこの本をおすすめします。1,500円と比較的安価ですし。
その場合、オストワルトやXYZ表色系の解説なんかは難しいので、とばしてしまってかまいません。この本と「新配色カード」を買い、配色例に従って切り貼りをしてみるだけで、かなりの成果が得られるのではないかと思います。