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色覚の異なる人の色の見えを体験できるアプリ「色のシミュレータ」

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人間の目には錐状体という細胞があります。錐状体にはL(赤)、M(緑)、S(青)の三種類があり、これらが目に入る光に反応することで、色が見えるといわれています。多くの人の目では、これら三種の錐状体がバランスよく働いて、赤、橙、黄、緑、青、紫などさまざまな色を見分けることができているそうで。

ところが、遺伝的に錐状体の働きが異なる人、または錐状体の一部もしくは全部を持たない人というのがいます。一般的に色覚異常とか色弱とよばれる人たちで、日本に320万人いるといわれています。

こういった人たちにとっては、多くの人たちがとても見分けやすいと思っている配色の見分けが、とても難しかったりするんだそうです。例えば、赤と黒、赤と緑、緑とオレンジといった配色は、一般的にはとてもコントラストが強いとされていますが、あるタイプの色覚の人にとっては、コントラストどころか両者の区別がつかないことさえあるという。

いや、これ、考えてみたら大変なことですよね。単なるお洒落目的の配色なら、見分けがつかなくても害はありませんが、これが電車やバスの路線図だったら? 危険を知らせるための看板やランプだったとしたら?

ということで、いろいろモノを作ったり色を塗ったりするときに、異なる色覚の人にも配慮しましょうというのが、「カラーユニバーサルデザイン」の考え方です。これは、2012年2月に出版されたカラーコーディネーター2級テキストの改訂版(第3版)にも盛り込まれました。

ただ、いくら勉強したとしても、体感したことのないタイプの視覚の見えを想像するのは、困難というか不可能に近いですよね。ということで、テキストでは、様々な色覚特性を持つ人の色の見え方を体感するためのさまざまツールが紹介されておりまして、そのうちのひとつが「色のシミュレータ」。iPad、iPhone、iPod touchやAndroid搭載のスマートフォンで使える色覚シミュレーションアプリです。

色のシミュレータ
http://asada.tukusi.ne.jp/cvsimulator/j/

「色のシミュレータ」を起動させると、内蔵カメラも自動的に起動し、カメラが捉えた画像が4タイプの色覚に変換され、リアルタイムに画面に映し出されます。4つのタイプとは、一般的な色覚とされるC型、いわゆる色弱とされるP型、T型、A型。画面は最大4分割できて、異なるタイプの見えの比較もできます。

いや、色とりどりに見える草花や野菜がすべて同じような色に沈んで見えたときの衝撃といったら。カラーにたずさわるすべての皆さんにおすすめしたいツールです。

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