「CCUS」とは何でしょう?まずはさっくりと3行で説明します。
Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの頭文字をとったもの
日本語で言うと、「二酸化炭素回収・有効利用・貯留」です
ということなんですが、以下でもう少し詳しく解説します。
「CCUS」とは、英語の「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の頭文字をとったもの。
工場や発電所から出た二酸化炭素が空気中に散ってしまう前に回収して、活用したり貯めたりする技術のことです。日本語では「二酸化炭素回収・有効利用・貯留」。
Capture=回収
Utilization=有効利用
Storage=貯留
です。
いま、日本を含め世界の多くの国が「2050年カーボンニュートラルだ!」なんていう目標を掲げて、二酸化炭素の排出が少なくなるようにがんばっています。
そのためには、使用するエネルギーを化石燃料から再生可能エネルギー(場合によっては原子力)にシフトすることが望ましいとされています。化石燃料を燃やすと、二酸化炭素が出ますからね。
そうなんですよね。化石燃料をやめるとしても、段階ってもんがあります。移行の過程では、工場や発電所から二酸化炭素が出てしまうことは避けられないわけでして。そこで注目されているのがCCUSです。
工場や発電所から排出される二酸化炭素を外へ出さないようにして、高圧で地下深くに押し込みます。二酸化炭素を貯める場所は、すき間の多い砂岩の層。外に漏れないよう、密な泥岩の層がフタの役目をしてくれるところが適切です。
ちなみにこの営みは、「CCS」と呼ばれます。「CCUS」の「Utilization(有効利用)」なしバージョンです。
日本では、北海道の苫小牧で大規模なCCSの実験が行われています。これまで、30万トンの二酸化炭素を地下1000~3000メートルの地層に注入し、環境に影響がないかどうかを観察中です。
「平成30年北海道胆振東部地震」への影響ですか。経済産業省のレポートでは、「CO2 の地中貯留と本地震との関係を示唆するデータは確認されていない」とされています。また、この地震によって、すでに貯められていたCO2の漏洩もなかったとか。
苫小牧におけるCCS大規模実証試験30万トン圧入時点報告書(「総括報告書」)概要 令和2年5月
プラスチックや燃料への加工などがあります。いわば二酸化炭素のリサイクル。この営みは、カーボンリサイクルとか「CCU」とか呼ばれます。CCUSの「Storage=貯留」がないバージョンですね。
地中に貯めたりリサイクルしたり次の採掘に役立てたり。これらをひっくるめて「CCUS」と言います。
そうですね。「CCSとCCUの総称がCCUS」なんて説明されることもあります。
Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの頭文字をとったもの
日本語で言うと、「二酸化炭素回収・有効利用・貯留」です