今月は、約20年ぶりにヘヴィメタル/ハードロックの専門雑誌『BURRN!』を買いました。お目当ては、HELLOWEENの表紙と巻頭インタビューです。表紙はヴォーカルのアンディ&ギターのヴァイキーの2ショット。かっこいい!こうなりたい!来世は屈強でイケメンなドイツ人に生まれて、メタル界の頂点に君臨するのが野望です。
表紙をめくると、昔からある新年特別企画のバンドのロゴステッカーが。ステッカー付の新年号を買うのは約20年ぶりです。ラインナップが入れ替わっていて浦島状態かと思いきや、ほとんど変わっていなくてびっくり。 いやー懐かしい。中学高校の頃、IRON MAIDENやMOTREY CRUEのを学生カバンやペンケースに貼ってましたわー。
ちなみにこのステッカー、現在は自分でハサミで切り取って使う仕様ですが、最初は、通常のシールのようにロゴごとに切れ目が入っていたんですよね。しかし、ほどなくして一部の不逞の輩が書店でお気に入りのバンドのロゴだけ剥がして持っていくという犯行に及ぶようになったため、現在の仕様になったのでした。
おかげで、不器用な私は、お気に入りのバンドのシールを使うのにたいへんな苦労をするようになり、ひじょうに腹を立てた記憶があります。
ところで、今日、この話題を取り上げたのは、昔話をするためではなく、以前の記事「ハロウィンのニューアルバム『Straight Out of Hell』のジャケをCUD的に見たらこうなった」でご紹介した「カラーユニバーサルデザイン」の話をするためです。
同記事で使った富士通の色覚シミュレーションツール「カラードクター」でBURRN!の付録のステッカーを見ると、こうなりました。左が一般色覚、右が、いわゆる色弱の1タイプである「P型色覚」(カラードクターでは「赤色一型」と表現)における見え方を再現したものです。
一般色覚モードでは、最もきわだっている赤いDIOやJUDAS PRIEST、SLAYERのなどロゴが、P型シミュレーションでは暗く沈んでしまっているのがお分かりいただけるでしょうか?
「P型色覚」というのは、いわゆる「一般色覚」の人が網膜の錐体を三種(赤、緑、青)持つのに対し、緑と青の二種しか持たないか、赤があってもその働きが弱い人の色の見え方のことです。
赤と黒というのは、一般色覚の人にとってはとてもコントラストが強く、インパクトが強いので、ロックバンドのロゴや、「禁煙」「駐輪禁止」など目立ちが要求されるサイン類に用いられがちです。しかし、P型の人には赤が暗く見えるので、黒との組み合わせは、目立ちと言う観点からすると最悪なんですね。
黒と赤は、他にD型(緑錐体がないか、その働きが弱いタイプ)の人にとっても判別しにくい色の組み合わせです(D型の人には、P型の人よりは赤が明るく見えますが)。P型とD型を合わせると、日本人男性の5%にのぼるとされておりますので、誰にでも見やすくする必要があるサイン類などには赤と黒の組み合わせは使わない方が無難でしょう。
赤と黒の組み合わせを用いつつ、誰にでも見やすくしたい場合は、赤を明るいオレンジ寄りにするか、ロゴや図の周囲に白いフチをつけると、見やすくなります。サイン類はもちろん、ロゴも多くの人にアピールしてなんぼですので、バンドマンの皆さんにはぜひ憶えておいていただきたいと思います。
ところで、『BURRN!』って、昔は普通の雑誌と違って発売月と号数が一致していた気がするのですが(例えば、普通は1月に2月号が出るところ、『BURRN!』の場合は1月には1月号が出る)、今回買ったのは普通に2月号でした。いつから変わったんだろう!?