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映画『リミット』で思い出した完全な闇の恐怖

リミット 時事
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カラーコーディネーター検定(R)頻出のお話ですが、「物が見える」という状態は、①物 ②物を照らす光 ③物を見る目 という三つの条件が揃ってはじめて生じます。どれか一つが欠けても物を見ることはできません。

ここで、「そりゃ①③がなけりゃ見えないっていうのは当たり前だけど、②は何とかなりそうじゃない? 目は暗闇に馴れるもんだし・・・」とお思いの方がいらっしゃいましたら、それは甘いです。かすかにでも物が見える暗闇というのは、屋外なら星明りや月明かりがあったり、屋内ならどこかから光が差し込んでいたりと、とにかく②がある状態なんですね。

②が全くない状態というのは、例え①③があっても、全く何も見えません。私がその状態を体験したのは、兵庫の武田尾というところにある国鉄廃線跡のトンネルの中でした。うっかり懐中電灯を持たずに足を踏み入れてしまったところ、トンネル中央部は外部の光が全く届かない状態なのに照明がない!

武田尾廃線跡のトンネル

いくら目を凝らそうが細めようが、何分そこに滞在していようが、視界の全てが黒で覆い尽くされた状態で、隣にいるはずの亭主の姿はおろか、目の前にあるはずの自分の手すら見えないという。いや、あれは人生最大の恐怖でしたね。

などということを思い出したのは、映画『リミット』のDVDを見たからです。原題は『BURIED』(「埋められた」の意)。生きたまま木の棺に閉じ込められ、地中に埋められてしまった男性の脱出劇を描いたお話です。

物語は、棺の中で主人公が目を覚ましてパニックに陥るところからスタートします。地中のお棺の中ですから、当然真っ暗。何とか所持品のジッポライターを探し出して、火を灯すまで画面は真っ暗。

程なくして、棺の中には、他にも携帯電話や非常灯などの光源があることが判明するのですが、これらがいずれも心許なく。電池やオイルが尽きたらどうするんだ?と想像するだけで呼吸が困難になるような映画でした。暗所恐怖症、閉所恐怖症の人は、避けた方がいいかもしれません。

ところで、前述の武田尾のトンネルから無事出られたのは、私たちの後からトンネルに入ってきたお婆ちゃんとお孫さんの二人連れが懐中電灯を持っていたので、辺りがかすかに見えるようになったからなんですよね。

でも、その二人の後を追うようにして、外に出た時にはもう彼らの姿は見えず。一本道だし、お婆さんと子供の足だから、見失うほど先に行ってしまうはずもないのですが……まあ、おかげで助かったことですし、深く考えないでおこうと思います。

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