2015年は、企業トップが記者会見で謝罪することが多かったねえ、ということで日経MJが専門家に「謝罪会見」に適した服装を聞いてみたらしい。12月25日号の7面。
【25日付 MJから】謝罪の場でふさわしいファッションを専門家に聞きました。7面です。
— 日経MJ (@nikkeimj) 2015, 12月 24
決め手は、目立たないよう個性を消すことらしい。また、だらしない印象にならないようにすることも重要だという。さて、人に謝る場面には、どんなファッションがふさわしいのか?職場で誰かにお詫びをする機会なんかに役に立ちそうなので、内容を一部紹介してみたい。
スーツの色は無地のチャコールグレーか濃紺
男性のスーツでは、明るい色や柄物、黒はNG。黒は、ファッション関係者などを除き、一般的にはビジネスの場で着る色ではないそうだ。
また、女性も、グレーや濃紺が適切とのこと。ただ、女性のグレーは、男性より明るめでもよいようだ。
紙面には、具体例として、2015年2月5日に行われた日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長の記者会見の写真が掲載されていた。カサノバ社長のスーツは、中ぐらいの明るさのグレーだ。
ネクタイは小紋柄がベスト。無地はNG
男性のネクタイは、スタンダードな形で、色は黒や紺。柄は小紋がよいとのこと。無地は、お洒落に見えるからダメらしい。派手なデザインや、光沢のある生地はもってのほか。ネクタイピンも外しておく。とにかく目立たず、印象に残らないように。
東洋ゴム工業の山本卓司社長ら経営陣4人の、2015年6月23日の謝罪記者会見時のネクタイが、いいお手本になるだろう。ちゃんとアドバイザーが付いてたのかな。
その他謝罪の場面のファッションで注意するべきこと
- シャツは白の平織、無地でプレーンなデザイン。ボタンダウンなどカジュアルなイメージのものは避ける。長袖で、スーツの袖口から少し出るぐらい。女性は袖が見えない方がよいらしい。
- ブランドの高級腕時計は避ける。また大ぶりなものもNG。松屋銀座本店のバイヤー宮崎俊一氏によると、文字盤の直径が38mm以内、厚さ8mm以内。ベルトは牛革の黒ベルトかステンレス。
- 男性の靴はストレートチップが一押し。紐なしはNG。
- とにかくきちんとする。女性は髪を結ぶか留める。胸元の開きは浅く。男性はすね毛が見えないように長めの靴下を。
- ゴージャス感をかもすのもNG。例えば女性の巻き髪とか、男性のダブルのスーツとか。
ということで、要は「個性的」「お洒落」「だらしない」「お金かかってそう」など、人に突っ込まれる要素を徹底的に排除するべきであるようだ。
さて、その観点から、ある記者会見の参加メンバーのファッションを振り返ってみよう。2015年8月5日、五輪エンブレムの盗用疑惑が持ち上がった際の、佐野研二郎氏の記者会見だ。いや、あれは謝罪目的の会見ではなかったけれど、見てる側が怒ったり疑惑の目で見たりという場面だったからなあ。
しかし、
- 司会の人→ボタンダウンシャツでノーネクタイ(クールビズだとは思うが)、ジャケットの前全開
- 佐野氏→ネクタイは小紋柄だが、スーツのデザインが個性的、あとサイズが合ってない感じ
- 五輪組織委マーケティング局長(当時)の槙氏→幅広の大胆なストライプのネクタイ、ジャケットの前全開
ということで、「だらしない」「お洒落かよ」という突っ込みの余地があるファッションであったことが分かった。まあ、謝罪会見の服装のスタンダードを準用していたところで、皆の疑惑を払拭することはできなかっただろうけどね。