クランキーネタが続きます。ローソンの新商品のコーナーで、クランキー<チーズケーキ味>を見つけました。とても美味しかった上に、パッケージデザインが秀逸だったので、紹介させていただきます。
クランキー<チーズケーキ味>のパッケージはこちら。「スリムパック」と呼ばれる形式で、中に個装の小粒のクランキーが10枚入っています。デザインは、水色やスカイブルーとか呼ばれる背景に、こげ茶で縁取りされたクランキーの白いロゴ、中身を表現するイラスト、チーズケーキのイメージイラストがあしらわれたもの。
使用されている主な色はこちら。
色相環上のだいたいの位置を見てみましょう。チョコやチーズケーキのイラストが橙~黄色の色相であるのに対し、背景の水色は緑寄りの青で対照的な配色となっています。
背景に青系の色が採用されたのは、色が対照的なチーズケーキのイラストを引き立て、メリハリをつけるためではないかと思われます。また、青系の中でも明るい色が選ばれたのは、クランキーの軽快なイメージを表現する効果を狙ったからではないかと。
ただ、明るいだけではぼんやりとした印象になってしまいますので、引き締めが必要です。その役割を担っているのが、取り出し口から除く内箱のゴールドと、「CRUNKY」のロゴの縁取り。
背景の水色と、これらの色は「コンプレックスハーモニー」または「コンプレックスカラー配色」と呼ばれる配色になっていて、これがいいアクセントとなっています。
背景の水色と取り出し口のゴールド
背景の水色とロゴの縁取りの茶色
コンプレックスカラー配色とは、ざっくりと言いますと、自然に見られる配色の法則の逆を行く配色のことです。自然に見られる配色では、黄寄りの色が明るく、青寄りの色が暗くなっていますが、その関係を逆転させたもの。
見る人に不自然で複雑な印象を与えるということで「コンプレックス(complex=複雑な)」と名付けられたという話です。憶えておくと、アクセントカラーを決める時に便利です。
なお、自然に見られる配色とはどういうものかといいますと、このパッケージのチーズケーキのイラストのイラストが典型。色彩用語では「ナチュラルハーモニー」といいます。自然で統一感のある配色にしたいときに、よく使われるテクニックです。
黄色に近づくほど明るい
ちなみにナチュラルハーモニーは、色彩検定でもカラーコーディネーター検定でも必出の用語です。
ということで、このページでは、クランキー<チーズケーキ味>のパッケージの配色についてお届けしました。最初に見たときに、インパクトがありつつもまとまった印象のパッケージだと思ったのですが、どうやらその秘密は配色にあったようです。調和する配色のコツは、「統一と変化のバランス」だと言われたりしますが、それを地で行っていますね。
ちなみに味もなかなかです。「チーズケーキ味」という商品名から期待した通りの美味しさでした。