今日は、チョコレートとクリームシチュールーのパッケージの色について考察してみました。
きっかけは、近所のスーパーで、グリコのチョコレート「アーモンドピーク」ホワイトのパッケージを見た亭主が、
「シチューかと思った」
と言ったこと。
こちらが問題のグリコ『アーモンドピーク<ホワイト>』のパッケージです。
白をベースに、ホワイトチョコレートとアーモンドの写真がプリントされ、ゴールドと青の帯があしらわれたデザイン。メーカー名と内容量が、それぞれ左上と右下に赤で印字されているのがアクセントとなっています。
言われてみれば、確かにクリームシチュールーのパッケージの色っぽい気もしますが、果たしてどうでしょうか。ということで、シチュールーの売場に行ってみたところ、納得。亭主がアーモンドピークホワイトをシチューと誤認したのは、無理からぬことだったのです。
最も似ていると思われる二点を買ってみました。
ハウス『コクの贅沢<クリーム>シチュー』
S&B(ヱスビー食品)『とろける<クリーム>シチュー』
①ベースカラーが白からうすい黄で、鮮やかな青が印象的、②アクセントカラーが赤、ゴールドという点が、見事に同じ。③アーモンドとにんじんの違いはあれど、オレンジ系の色が入っているところも共通しています。
驚いたのは、他のクリームシチュールーのパッケージも似たりよったりのデザインだったことです。
再掲、アーモンドピークホワイト。もうシチューにしか見えません。
一般に、商品のパッケージの色には、主に次のような機能が求められます。
- 競合する商品群の中で目立つ(グリコのシチューであれば、ハウス、エスビーより目につきやすくする)
- 同じ製品ラインナップの中での区別を助ける(普通のチョコとホワイトチョコ、シチューであれば、クリームとパンプキンとビーフなど。あとカレーとの区別が必要な場合も)
- 内容物をイメージさせる(チョコレートであればチョコレートらしさがある)
この点、グリコのアーモンドピークホワイトは、少なくとも最後の項目「内容物をイメージさせる」において、あまり成功していないのではないかと思われます。
推測するに、「ホワイト」だから白をベースにし、アーモンドの色と対照的な青を使ってメリハリの効いた配色とし、同商品が属するブランド「おとなのグリコ」を体現するために、高級感のあるゴールドを使ったのではないかと。
だとするならば、理にかなった選択と言えますが、いかんせんその配色は、シチューでおなじみのものだったという。
パッケージの配色とは、つくづく難しいものなのだなあと考えさせられた一件でした。
ところで、上に挙げたクリームシチュー群ですが、これらは「競合する商品群の中で目立つ」というポイントにおいて、問題がある気がします。
このポイントを克服し、ビーフやパンプキンなど同じラインナップの他のシチューとの区別が明確で、あくまでもクリームシチューらしいパッケージの配色とはどんなものか?
これを考えてみるのは、いい訓練になりそうです。