会社の同僚から貸してもらった『広告コピーってこう書くんだ!読本』を読みました。新潮文庫の「Yonda?」や、資生堂TSUBAKIの「日本の女性は、美しい」など名コピーの数々を手がけたコピーライター/クリエイティブディレクターの谷山雅計さんが書いた本です。
感想。読んでよかった。
というのは、我が家ではさまざまなWebサイトを運営している関係で、キャッチコピー的なものを考えなければならないことがあるのですが、どうも私には決定的にセンスがないようで…
まず何も思い浮かばないし、時間をかけてひねり出したものは、後で客観的に読み返してみると、自分でも「ハァ?」と思うようなものばかり。
そんな具合なので、このブログの記事タイトルですら、サイト管理担当の夫に一任しているという体たらくなのですが、そんな私でも何とかなるかもしれないと思わせてくれた1冊でした。
この本には、著者の谷山さんが20年以上にわたって実践してきた「発想体質」になるための31のトレーニング法が示されています。
特に印象に残ったのは、第3章の「そりゃそうだ。そういえばそうだね。そんなのわかんない」という項目でした。
その項目は、谷山さんが考えた「常識とコピーと芸術の三分法」の解説で、何かについての意見のうち、聞き手の「そういえばそうだね」という反応を引き出すものがよいコピーになりうるという話が展開されています。
豆腐についての意見を例に解説がなされているのですが、まず、「そりゃそうだ」は「常識」。谷山さんは、「この豆腐は、白いんですよ」という類のものがこのタイプに該当するとしています。
次に「そんなのわかんない」は「芸術」で、「豆腐の白は現代の不安を象徴」という類のもの。聞き手に「はぁ?」と言わせてしまうような意見です。
そしてコピーとなりうる「そういえばそうだね」は、「豆腐は栄養豊富で畑のステーキみたい」というような意見。こういった、人が知ってはいるけれど意識下に眠っているようなものを言語化することによって、コピーの納得が生まれるのだそうです。
なるほど!と思ったのでさっそく実践。この三分法を使って「色彩の学習」についてコメントしてみました。
「そりゃそうだ」(常識)=「自分に似合う色が分かる」
「そういえばそうだね」(コピー)=「視覚情報の80%は色彩なんです」
「そんなのわかんない」(芸術)=「宇宙と、つながろう」
うーん、我ながらいまいちだな。
しかし、「そういえばそうだね」を引き出す、という視点はしっかりインプットされたので、あとは練習あるのみではないかと思います。