『デザインセンスを身につける』(ウジトモコ / 著)を読みました。
「はじめに」によると、この本は「デザインについて感じているもやもやとしたものを解消し、デザインについてしっかりと理解するために」書かれたとのこと。
筆者のウジトモコさんは、デザインを理解することは、すべての人にとって意味のあることと考え、そのためにデザイン専門書ではなく、新書としてこの本を刊行したそうです。
ただ、アマチュアの目には飛躍が多く、少なくとも私は「デザインについて感じているもやもやとしたものを解消し、デザインについてしっかりと理解する」ところまでたどり着けませんでした。
特に難しいと感じたのは、たびたび登場する「トーン・アンド・マナー」という用語。「雰囲気」とか「ふさわしさ」を表す広告業界の用語なのだそうですが、何度読んでもその正体がつかめません。以前、ウジトモコさんの他の著書『売れるデザインのしくみ -トーン・アンド・マナーで魅せるブランドデザイン』を読んだこともあるのですが……。
ということで、今のところ、デザインについて感じているもやもやを、かえって増幅させることになった一冊というのが、本書に対する印象です。もう一度『売れるデザインのしくみ』を読み返してみようかと思います。
一方、本書のよかったところは、効果的な色使いや構図といったデザインの基本が、twitterやfacebookのアイコンや、プロフィール画像、ロゴデザインなどの具体例をもってやさしく解説されていたところです。
特に、アイコンや、プロフィール画像について「顔写真NG」の場合の対処法が語られている点は、親切だなあと。
効果的なプロフィール写真の撮り方のノウハウは、あちこちで語られていますが、「いやだから、そもそもネットで顔出ししたくないんだって!」という悩みに答えてくれている人っていなかったような気がするんですよね。
これまで、仕方なくペットの写真やお気に入りの風景画像をアイコンにしていた方は、いちど本書を手に取ってみてください。顔写真を用いずに、自分自身をSNSのタイムライン上でよりよく表現するアイコン作りのヒントが、何か見つかりそうです。