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太陽光や水力を活用した自作エネルギーで自然の恵みを満喫しつつ高い電気代のお悩みから解放される方法

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「小さいエネルギーで暮らすコツ」(編・農村漁村文化協会, 2023年3月出版)を読んだのでその感想です。

ここで言う「小さいエネルギー」とは、「身の回りの自然を使って、自分でつくる電気や熱、動力などのエネルギー」のこと。本書では、自然が豊富な農村や山で、太陽光、太陽熱、水力、薪・炭などのエネルギーを使って暮らす人の知恵や工夫が紹介されています。

写真や図解、体験談が豊富で、必要な機器や道具の作り方や使い方も詳しく説明されているところがポイント。こんな人におすすめの1冊です。

  • 太陽光や小水力を使って、電気の自給自足をしたい人
  • 小水力発電で地域の活性化をはかりたい人
  • ソーラーシェアリング(営農型発電)を導入したい人
  • 太陽の熱から温水をつくりたい人
  • 薪ストーブや炭火で野外クッキングを楽しみたい人
  • 天日干しで干し野菜やドライフルーツを作りたい人
  • 自作のサウナで仲間たちと楽しみたい人

太陽光発電や小水力発電の導入のしかたを知りたい人、太陽熱を利用した食品乾燥機や温水器、薪ストーブ、炭窯を自作したい人は、ぜひ手にとってみてください。

山で暮らすつもりはないし、アウトドアやDIYにも興味がないよ、という人もご一読を。最近、こんな疑問をいだいたことはないでしょうか。

  • 日本って輸入のエネルギーに頼りまくっているんだよなあ
  • 最近、電気代が高いなあ
  • 太陽光発電ってよさそうだけど、パネルのリサイクルに問題あるんでしょ

もしそうなら、Part1「太陽の光で電気をつくる・熱に変える」を興味を持って読めるはずです。目次です。

●Part1 太陽の光で電気をつくる・熱に変える
 オール電化から電力自給開始で、電気に愛着のある暮らし
 「わがや電力」論――100W暮らしのすすめ
 ○早わかり太陽光発電
  「太陽光で電気をつくる・貯める・使う」の基本
  オフグリットソーラーに必要な機器たち
  図解 卒FITで蓄電時代がやって来る
  心がトクする蓄電池の取り入れ方
 ○広がる営農型発電
  農業とともに永続するソーラーシェアリング ――導入のポイント
  使い切れない農地 ソーラーシェアリング+有機栽培で資源化
  太陽光パネルは廃ガラス利用で100%リサイクルできる
 ○光を熱に変える道具をつくる・使う
  波トタン―― 干し野菜。ドライフルーツが簡単にできる
  ソーラーフードドライヤー ―― 持ち運べるDIY乾燥機
  手づくり太陽熱温水器 ―― 塩ビ管で製作費5万円
  真空管式太陽熱温水器なら、冬でもしっかりお湯になる
  石垣棚田ハウス ―― 蓄熱効果でトマトの無加温栽培

出典:『小さいエネルギーで暮らすコツ』農文協編 – 田舎の本屋さん

小さいエネルギーで暮らすコツ|田舎の本屋さん - 農業・食文化・教育・生活の書籍専門店
人任せのエネルギー問題を再考。太陽光・水・薪&炭で生み出す自然エネルギーの楽しみと底力。

私自身は、町なかの賃貸暮らしですが、本書Part1を読んで「手づくり太陽熱温水器」にチャレンジしてみたくなりました。上の目次にある「塩ビ管で製作費5万円」です。

というのは、築40年超の我が家、昼間に水道の蛇口から1~2分ぐらいお湯が出ることがあるんですよね。「水」の方を開いているにもかかわらず。

きっと建物のどこかで、給水管があたたまっているのだと思うのですが、太陽熱ってすさまじいなあと実感しまして。南向きではなく、小さなベランダしかない集合住宅なので限界はありますが、なるべく工夫をして電気やガスへの依存は減らしたいところです。

欲をいうなら、駅近くとか家賃とか間取りとか、利便性やふところ具合で家を選んでも、しぜんに再生可能エネルギーが活用できるような世の中になるといいですね。

なにしろ現状では、例え山村で暮らしていたとしても、好きなエネルギーを暮らしに取り入れるのは簡単なことではないようで。

例えば、本書54ページからの「山の暮らし 小水力発電に活かさない手はない」で語られる、岐阜県の口田さんの体験談。

  • オール電化にするなら薪ストーブを撤去しなければいけないと電力会社から言われた
  • 太陽光の電力と小水力発電の電力を混ぜて売ってはいけないということで、電力会社の人に水車を止められた(事前に確認してもらって了承を得ていたにもかかわらず)
  • 小水力発電のための水利権の取得に3年かかった

などのエピソードからは、土地や設備や自然の恵みがあっても、さまざまなルールが立ちはだかり、なかなか理想どおりに事が運ばないことがわかります。

もちろん水利権や電力会社の系統への接続などのルールは、過去に起こったさまざまな衝突を調整するものなのでしょう。

しかし、昨今の脱炭素の要請や、災害時の危機管理などを考えると、もっと「小さいエネルギー」が活用しやすいように、制度の見直しができないものかと思った次第です。

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