会社の業務で電気料金のチェックをしているとき、基本料金の計算が合わない!という経験をしたことはありませんか?おそらくその原因は「力率割引」です。このページでは、力率割引の計算方法をご説明します。
電気料金のうち、基本料金は基本料金単価×契約電力〔kW〕で決まります。しかし、請求書を見てみると、計算が合わないことがあります。
例えば、基本料金単価がkWあたり1000円で、契約電力が100kWの場合、基本料金の請求額は10万円となるはずですが、請求書を見るとそれより安い金額が書かれていたりするんですよね。
これは、力率割引後の金額が請求書に書かれているためです。
力率とは、ざっくり言うと受け取った電力のうち、有効に使われる電力の割合のことです。
受け取った電力をすべて有効に使っている場合は、力率は100%。ムダの発生が大きくなるほど、力率は99%、98%…と下がっていきます。
そして、力率が高くなるかどうかは、電力のユーザー側の設備の効率にかかってきます。
電力会社としては、せっかく作った電力はムダなく使ってもらいたいと思っています。そこで、設備を改善して力率を高くしてくれた人には、基本料金の割引を適用することにしています。これが力率割引。
力率85%を基準として、力率がそれを上回るときは割引が適用され、下回るときには割増が適用されます。
基本料金=基本料金単価×契約電力〔kW〕
という計算がそのまま成り立つということだね。
そうです。基本料金の計算が合わない!という場合、請求書の「力率」の欄は85%以外になっているはずです。
結論から言いますと、
力率100%のとき、基本料金の割引率は15%です。
力率90%のとき、割引率は5%です。
力率が80%の場合は割引率は-5%、つまり割引ではなく5%の割増となります。
15%は、全体を1とした場合の割合に直すと0.15です。なので、15%を引くということは
1-0.15=0.85
つまり0.85を掛けるということになりますね。
力率100%のとき力率割引は15%なので、基本料金単価が1000円で契約電力が100kWの場合、基本料金は
1000×0.85×100=85,000円
という計算になります。
同じく5%引きの場合は1-0.05で0.95を掛け、5%割り増しの場合は1+0.05で1.05を掛けます。
基本料金単価が1000円、契約電力が100kWの場合の基本料金は
力率90% 1000×0.95×100=95,000円
力率80% 1000×1.05×50=105,000円
という計算になります。
力率100%の場合は×0.85
力率90%の場合×0.95
力率85%の場合×1
力率80%の場合×1.05
です。
この4つを覚えておくと、多くの場合、基本料金の計算が出来ると思います。
そんな場合は、この公式を適用してみてください。
基本料金単価×(185-力率)/100×契約電力
ということで、このページでは力率割引の計算方法をご説明しました。基本料金の計算が合わない!と悩んでいた皆さんのご参考になりましたら幸いです。