アマランスから、ヴォーカルのジェイクEが脱退とな。我が家ではイケメンボイス担当と呼んでいた兄さんだ。ショック。
なんで「イケメンボイス」かというと、アマランスには、3人の歌い手がいて、うち2人が男性なので区別が必要だった。
もう1人の兄さんのグロウリング(いわゆるデス声)と呼ばれるスタイルの歌唱に対し、ジェイクはBON JOVIを思い起させる甘い歌声。かつ俳優ばりの男前であることから、イケメンボイスというわけだ。一般的には「クリーンボーカル」と表現されているようだが。
で、そのイケメンボイスのジェイクEがアマランスからいなくなってしまった。インタビューを読む限り、脱退理由は、定型的な言葉でいうと「方向性の違い」ってことになりそうだ。
Amaranthe Vocalist Departs Band(英語)
8年前にギターのオロフと一緒にバンドを立ち上げて以来、アマランスは想像以上の成功を収めた。世界中をツアーして楽しかったんだけど、3枚目のアルバム「Massive Addictive」以降、どうも自分が目指す音ではなくなってしまったと。
彼が目指していた音とは、「Soilwork(北欧のメタルバンド)みたいなギターとメロディックなBon Jovi的なヴォーカルが女性の声と組み合わさったもので、しかし基本はあくまでもメタル」だったという。
それからすると、女性Voのエリースを大きくフィーチャーした最近の楽曲、デッドオアアライヴとかクイーンとか(個人的には昔の武富士のCMとかも)を彷彿とさせるメジャー路線は、違うってことになるわな。
1週間前にリリースされたMaximalism(4枚目のアルバム、最新)収録の“Boomerang”のPV。これが最近の路線。
上記インタビューには、こんな発言もある。
「Maximalismに着手した時に思った。これは俺が立ち上げに協力したAmarantheじゃないって」
あと、自分の役割が縮小されたことにも不満を抱いていたらしい。取材に対して、こんなことも言っていたようだ。
「Massive Addictiveで(バンドが)何か別のものに変わり始めてコントロールできなかった」
「バックコーラスみたいな気分になってきた」
「ライヴでもアルバムでも持ち場が減らされて俺はおまけみたいだった」
確かに、最新のMaximalismは、エリースの独壇場という感が強い。ジェイクのヴォーカルが印象的なのは、中盤の“Faster”“Break Down and Cry”くらいで。
Amaranthe – Break down and cry – Maximalism – 2016
1stの“Leave Everything Behind”なんかの頃と比べると、別物だわな。
ということで、脱退はかなーりショックなんだが、無理もないのかなあと。
それに、彼が音楽業界から消えるわけじゃないし。ジェイクは脱退後、Smashed into PiecesやChris Adamsとのプロジェクトに従事する模様だ(追記:誤読してた。別のニュースと総合すると、Amarantheの欧州ツアーの間のジェイクの不在をSmashed into Piecesのクリス・アダムスが埋めるという話らしい)。
イケメンボイスの今後に期待。