いつも同じ服を着ているのは、「持たない暮らし」を実践しているミニマリストの皆さんか、私のようなズボラな人間だけではないらしい。また、自律神経を整えるために服を選ぶ行為を排する人だけでもない。
イッセイミヤケの黒いタートルネックを100枚持っていたと言われる故スティーブ・ジョブズのように、これと決めたアイテムでワードローブを揃えた結果、いつも同じ服を着ているように見えるという一派もいるようだ。
【22日付 MJから】年中白いTシャツにジーンズ、テーマカラーは赤…。特定のアイテムや色など「これしか着ない」と決める人が増えています。自分らしさを表現する人のこだわりとは。16面です。
— 日経MJ (@nikkeimj) 2016, 2月 21
紙面に登場する人は、大きく2つのタイプに分かれる。アイテムにこだわる派と、色にこだわる派だ。
アイテム派の一人は、スーツの時以外は、毎日白いTシャツにジーンズという38歳の会社代表。
「ファッションに疎いんです。感度も高くないし、センスもない。なので一番いいと思うものをそろえた方が効率がいいと思って」
(2016年2月22日 日経MJ「トレンド」面より引用)
品質にはこだわりがあり、Tシャツは米国ブランドで生地8オンスのものを約20枚、ジーンズは日本のデニムブランド「KURO」のものを10本所有しているとのこと。
ちなみに、8オンスのTシャツはかなり生地が厚い。夏は少し暑いぐらいのレベルだそう。
TシャツのOZ(オンス)って何? | オリジナルTシャツプリントとユニフォームの専門店 イメージマジック
もう一人、アイテムにこだわる人としては、ボトムスは毎日細身の黒いパンツという、会社員兼ウェブディレクターの男性が紹介されていた。
いわく、
「黒パンツは主張しないので、トップスや靴で遊び心のあるものを選べる」
(引用同上)
そうだが、彼はおそらくお洒落上級者なので、真似しない方がいいだろう。黒い細身のパンツは危険だ。組み合わせによっては、ヘヴィメタルに目覚めたばかりの中学生みたいになってしまう可能性がある。
一方、色にこだわる派は、
- 夫は「青」で妻は「赤」とテーマカラーを決めている建築家夫妻
- 毎日全身ピンクの服を着るという女性経営者。通称「ピンク社長」
という顔ぶれ。
ちなみに、建築家夫妻は手塚貴晴氏と手塚由比氏。画像検索してみると、ブルゾン、Tシャツなど様々なアイテムに、それぞれのカラーを取り入れていることが分かる。
「ピンク社長」とは、株式会社TSP代表の多田多延子氏。
毎日ピンクを着るようになった理由は、
「生理学的にも幸せを感じる色。会った人が幸せになるように」
(2016年2月22日 日経MJ「トレンド」面より引用)
とのことで。
いや、色のインパクトは絶大だな。毎日白Tシャツとジーンズの人も、確かに印象深いが、手っ取り早く自己ブランディングということであれば色、それも原色やビビッドな色に着目するべきかもしれない。
全身それ一色とか、トップスまたはボトムスとして大面積で取り入れるのは難しいかもしれないが、ネクタイや小物など、アクセントとしてならそれほどハードルは高くないと思われる。
ちなみに、ピンク社長が採用している色合いのピンクは、お薦め。「フューシャピンク」といわれる紫寄りの鮮やかなピンクなのだが、甘くないから大人が身に着けるのにもってこいだ。