色をコーディネートする際に難しいのは、色相やトーンだけでなく、面積のバランスも考えなければならないということです。
というのも、わたしたちが日常で扱う色は、色として独立に存在しているのではなく、何らかの物体にくっついているものですよね。ファッションで言うとシャツだったり靴だったり、インテリアでいうと壁だったり椅子だったり。
これらは、コーディネート全体のなかでそれぞれ占める面積の割合が異なります。そして色というのは、全体のなかで占める割合によって表情を変えるもの。
よって、同じ大きさの色見本を組み合わせて作った配色がいくら素晴らしくても、実際のコーディネートに適用すると「なんじゃこりゃ?」ということになってしまう場合があるんですよね。
そこで、登場するのが大面積の色、中面積の色、小面積の色などという具合に、色をコーディネート全体の中で占める面積の大きさで分類し、配色を考える手法。
これはカラーコーディネーター2級検定試験の出題範囲です。同検定の最新公式テキストでは、大・中・小の3つに分ける考え方が採用されており、順に「ベースカラー(地色)」「アソートカラー(従属色)」「アクセントカラー(強調色)」と呼ばれています。
ベースカラーは、最も面積が大きく、全体のイメージを左右する色で、アソートカラーはベースカラーを補完する中面積の色。アクセントカラーは、日常会話でもよく使われる用語ですよね。多くはベースカラーやアソートカラーと対照的な色相やトーンの小面積の色で、全体を引き締める効果を持ちます。
と、ここですでに色彩の学習を始めている皆さんの中には、「あれっ?私が習ったのと違う」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんね。
そうなんです。この面積別の色の分類、テキストや配色マニュアルによって呼び名が異なるので、非常にややこしいんですよね。小面積の色をアクセントカラーと呼ぶのは、どこも共通しているようですが、大面積の色と中面積の色の呼び方はそれぞれこんなにあります。
<大>
ベースカラー(地色、背景色)
メインカラー(主要色)
ドミナントカラー(支配色)
ベーシックカラー(基調色)
<中>
アソートカラー(従属色)
サブカラー(副調色)
サボーディネートカラー(下位色)
純粋な英語と和製英語(ベースカラー、メインカラー、アソートカラー、サブカラーがそうです)、それから日本語が入り乱れて大変なことになってますが、カラーコーディネーター2級受験をお考えの方は、ここはぐっとこらえて整理しておいていただければと思います。
なお、2級テキスト旧版では、大面積の色のうち、ベースカラーとドミナントカラーを別物として扱う四分類の考え方をとっていました。
ベースカラーは抑えた色で背景となりやすく、ドミナントカラーは全体の色調を左右する色と説明されていましたが、いまいち違いが分かりにくかったんですよね。新版テキストで勉強を始めた皆さんは、その点が少しラクになったと言えると思います。